ARTJOG ジョグジャカルタ現代アートの一大イベントアートジョグ

アートジョグが始まった。
アートジョグは、一年に一度で開かれる現代アートのイベントで、今年で12年目である。2016年からジョグジャナショナルミュージアムで行われている。

例年5月〜7月あたりの1ヶ月開催されており、2019年は7月25日にオープニングを迎え、8月25日にクロージングがあった。期間は1ヶ月。特にアートジョグのオープニングに合わせて他の小さなギャラリーも同時多発的にオープニングやイベントを行うので、ジャカルタや他国から沢山のアート関係者が集う。

ARTJOGの主催はヘリ・ペマッドさんという個人による団体だ。政府等の公的機関が主催するイベントではない。

もちろん、政府やBEKRAFなどの機関からのスポンサーシップは入っているが、あくまでもスポンサーである。トップダウンではなく、ボトムアップのイベントなのである。

近年日本で各地方にあるビエンナーレ等は、どちらかというとトップダウンのイベントだというふうに聞いた。今愛知で問題になっていることを想うと、同じアートフェスティバルでも、異なる性質のものだ。

使っている会場も、もともとインドネシア芸術大学だった建物で、一応ミュージアムと言う名前がついているものの、一つ一つの部屋も小さく、空調などの設備も脆弱だ。だが、その小ささと手作り感は、ARTJOGのあり方を反映しているような感じさえする。

ジョグジャカルタナショナルミュージアム 右側の架構は今回のイベントのために作られた

今年から3年の向こうの大テーマはArts in Commonであり、今年のテーマはCommon Spaceだ。
コモンズ(共)はパブリック(公)に対する言葉で、近年其処此処で聞く言葉である。
今回のコンセプト文を読むと、「コモンズとは、昔からあったか、あるいは個別/集合的に作られた情報、知識、物体、資源であり、願わくば未来に引き継いでいくものだ。資本主義社会では、個人や集団によるオーナーシップ(所有権)や、オーサーシップ(著作権)が過剰に支配的で格差の生じやすいが、コモンズは実際の生活の中でのオルタナティブな考え方なのだ。としている。」
非常に現代的でインターナショナルなコンセプトだが、ジョグジャカルタという街はシェアや共有というものがまだまだ普通に残っている土地柄なので、このコンセプトがどこまでジョグジャの人々の共感を呼ぶかは微妙なところだと思う。大都市からやってきた人々の共感は大いに呼ぶだろう。

ARTJOG Arts in Common sees that artistic expression is basically a manifestation of creativity − the most human of human resources in an individual − that should become a “shared knowledge”

メインアートワーク

上の動画は、今年のメインのアートワークである。

インドネシア芸術大学を卒業したアーティストのHandiwirman Saputraが、実際に土を掘り起こして作った作品だ。自身が通っていた校舎だったこともあり、タイムカプセルを掘り起こすような気持ちもあったのだろう。直径6メートル深さ4メートル。掘ってみると地中から、輪ゴム、針金、プラスチック等が現れたらしい。我々が自然だと思っている土でさえも、人間の影響が多分に含まれていることが視覚化されている。

外部に展示されている2つのうち、Teguh Ostenrikの作品は自然保護をテーマにした作品だ。彼は珊瑚の人工魚礁にするためにオブジェを作る活動を続けているそうだ。この半球状のオブジェも実際に沈めた作品の複製だ。球体の中に入れるようになっていて、奥に海中が舞台のアニメがプロジェクションされていた。アニメの内容は海の環境に関する教育的な内容だ。

展示室に入る玄関に展示されたUgo Untoro作品。彼は飼っていた馬が亡くなったことをきっかけに、馬に関する作品をつくるようになったらしい。戦争や人間主義を批判した作品と書かれている

Riri LizaのHumba Dreamsという映画に関する展示。映画の上映にも行ったが、スンバ島に里帰りする大学生の物語だ。スンバは今観光地としてとても注目されているが、彼らの文化を知ることのできる良い映画だ。

今年のアートジョグは、例年のようにジョグジャカルタのアーティストを多くとりあげず、他地域のアーティストを多く取り上げているので違和感がある旨の意見も聞かれた。個人的にはテーマに沿ったキュレーションは理解しやすかった。

以下写真をアップロードしておき、時間があれば追記していきたい。他にも紹介したい作品ばかりだ。

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